一日の始まりの一杯や、仕事の合間のひと休み。コーヒーや紅茶は、気持ちを切り替えてくれる身近な習慣です。妊娠を考え始めたとき、「このカフェイン、今のままでいいのかな」とふと気になる人もいるかもしれません。

これは「やめる・やめない」の二択の話ではなく、「どう付き合うか」の話です。そして、今日の一杯との付き合い方は、妊娠期に入ってからの過ごし方にもそのままつながっていきます。

この記事のポイント

  • 妊娠前・妊娠中も、カフェインの摂取そのものは問題ない
  • ただし妊娠・授乳期は、1日の摂取量を200mg以下に抑えることが海外のリスク評価機関で推奨されている
  • 目安として、コーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインは約90mg

妊娠中もカフェインはOK。ポイントは「1日の量」

妊娠中も妊活中も、カフェインを摂ること自体は問題ありません。妊娠したからといって、好きなコーヒーやお茶を今日からすべて断つ必要はないということです。

気をつけたいのは「1日の摂取量」です。カフェインを長期間にわたって多く摂り続けると、お腹の赤ちゃんの発育の遅れや、出生時の低体重といったリスクとの関連が指摘されています。

世界保健機関(WHO)や欧州食品安全機関(EFSA)など海外のリスク評価機関は、妊娠中・授乳中の女性に対してカフェインの摂取量を控えるよう示しています。日本では国としての明確な上限は定められていませんが、内閣府 食品安全委員会の資料でこれらの基準を踏まえると、目安は「1日あたり200mg以下」です。

200mgは、マグカップのコーヒーでおよそ2杯分。適量の範囲であれば、妊娠中もリラックスの時間としてカフェインを楽しめます。

飲み物にカフェインはどれくらい含まれる?

普段なにげなく口にしている飲み物には、実際どれくらいのカフェインが含まれているのでしょうか。1日の目安である200mgを超えないように、主な飲み物の含有量を知っておきましょう(数値は食品安全委員会などの資料をもとにした目安です)。

飲み物の種類 100mlあたりの含有量 1杯あたりの目安量
コーヒー 約60mg 約90mg(1杯150ml換算)
紅茶 約30mg 約45mg(1杯150ml換算)
緑茶(煎茶) 約20mg 約24mg(湯呑み1杯120ml換算)
エナジードリンク・清涼飲料水 製品により異なる 約36〜150mg(1本あたり)
  • コーヒー:1杯(150ml)で約90mg。1日2杯程度なら、上限の200mg以内におさまります。
  • 紅茶:1杯(150ml)で約45mg。コーヒーより少なめですが、何杯も飲む日は合計量に気を配りましょう。
  • 緑茶(煎茶):湯呑み1杯(120ml)で約24mg。食事のときに数杯飲む程度なら、摂りすぎの心配は小さめです。
  • エナジードリンク・清涼飲料水:製品による差が大きく、1本で約36〜150mg、あるいはそれ以上のことも。眠気覚ましをうたう飲料はとくに多いので、飲む前にパッケージの成分表示を確認するのがおすすめです。

1日に何杯も飲みたい、量がどうしても気になるという人は、カフェインレス(デカフェ)という選択肢もあります。最近はコーヒー・紅茶・緑茶のカフェインレスに加え、麦茶やルイボスティーなどノンカフェインのお茶も豊富にそろっています。

1日200mgを目安に、無理なく

妊娠前も妊娠・授乳中も、カフェインを完全にやめる必要はありません。神経質になってストレスを抱え込むよりも、1日の量を「200mgまで」とゆるやかに意識するくらいがちょうどよいでしょう。

毎日きっちり計算するのが負担に感じるなら、カフェインレスやノンカフェインの飲み物を取り入れるのも一つの手です。今の一杯との付き合い方を少し知っておくことが、これから先の自分のからだと向き合う、心地よい第一歩になります。

参考・出典

  • 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
  • 食品安全委員会「食事中のカフェイン」